敷地周辺の文化的状況や都市構造をそのまま建築にしてみる / 浅草文化観光センター設計案コンペティション案
観光センターとコミュニティセンターを混ぜあわせる
観光センターとコミュニティーセンターという異なる機能をコンパクトにまとめることが求められた計画す。こういった場合は一般的にはゾーニングで整理することが多いのですが、敷地のある浅草では区民の生活と観光客の活動とが分け隔てなく混在しており、そのことがこのエリアのにぎわいを生みだしていると思われましたので、私たちの計画でも区民と観光客とを穏やかに混在させるようなプランニングを目指しました。スローツーリズムなどの概念がない当時、手探りでコミュニティの日常そのものが観光の資源になるという考えを、なんとか建築の提案としてつくりあげようとしました。
各階でコアの位置を違えて、いろいろなプログラムに対応する
通常は一箇所にかためて計画されるエレベーターや階段のコアを、小さく細切れにして分散配置します。そしてそれぞれのコア(一般的には垂直方向に一直線に延びる)の位置を各階でずらし、各階でのレイアウトが異なるようにしています。このずらすという方法は「アパートメントI」でトライをし手応えを感じたものです。コアは場所を囲うような配置になっており、それにより区民と観光客のゾーンを穏やかに区切っています。なお、空間を囲うというアイデアは近くの浅草寺界隈の都市構造からヒントを得ました。
information
- 期間
2008.10〜2008.12
- 用途
観光案内所
- 担当
乾久美子、加藤イオ、奥山尚史
- 所在地
東京都台東区
- 設計
建築 乾久美子建築設計事務所
構造 佐藤淳構造設計事務所
設備 環境エンジニアリング- 撮影
乾久美子建築設計事務所