土地を楽しく運営する / 大宮氷川町家(進行中)

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20250204_瓦・板金屋根施工
20250118_サッシ取付
20241221_螺旋階段搬入
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20241202_上棟
20241022_基礎打設
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改めて土地を持ち続けることとは

さいたま市大宮区氷川参道沿いに建つ一件の飲食店と二件の店舗併用住宅の複合施設を設計しています。相続時の資産整理等で土地の細分化や売却が進む中、施主は代々受け継いだ土地を手放さず、さらにそこが周辺地域にとって良いものとなることを望まれました。不動産の専門家であるアラウンドアーキテクチャーとも議論を行い、この場所に適した規模で三区画の賃貸物件を計画しています。うち二区画では店舗スペース付きの住宅として、暮らしとつながりを持った商いの在り方を考えました。

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増築的な形

敷地にすでに立つ建築群との一体性を重視しました。参道に面する短冊状の大きな土地には、施主自邸を始めとして、施主親世代の母屋、蔵など幾世代かの建築が併存しています。本計画ではその流れを踏襲し、いくつかの箱が集まったような増築的な形の建築を提案しました。箱が重なった部分を「コア」として水回りや縦動線を集約させることで、建物四周に向け開放的な建築としています。また、箱がずれながらつながっていくことで内外共に様々な空間を生み出しています。

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参道型/屋敷型町家

私たちは、この建築が店空間と住空間を上手く内包した町家のようなものでありながら、同時に参道沿いかつ郊外に建つ建築として見た時にも適切な佇まいであることを目指しました。参考にしたのは町家を原点としながらも住空間を増築しながら屋敷構えを整えていった倉敷や岐阜の商家です。四周に余裕を持った建物配置や、参道と連続感のある植栽計画、塀や庭といった要素は、この町家が参道型/屋敷型の町家であることを示しています。また、敷地内の建築要素や樹木を反復させることで敷地全体で見た時に一つの「参道型/屋敷型町屋」となるようにデザインしました。これら建築群が、総体としてみたときに家というよりは一つの企業体のような形で土地の運営を行うことで、所有者にとってはもちろんのこと参道周辺にとっても価値のある場所になればと考えています。

20241019_A区画客席より参道側を見る
20241019_A区画客席より厨房側を見る
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現在テナント募集中!

メインテナントであるA区画(約60㎡)に入っていただける方を募集しております。残り二件の店舗併用住宅についても随時募集をかける予定です。興味のある方は以下連絡先にてご連絡お待ちしております。

株式会社アラウンドアーキテクチャー 担当:稲盛(いなもり) inamori@arar.co.jp

期間

2022.8〜

用途

飲食店・兼用住宅

担当

乾久美子、沼田優花、米山剛平、安東慧、堀上薫乃(元所員)

所在地

埼玉県さいたま市大宮区

延床面積

162.3㎡

設計

建築 乾久美子建築設計事務所
不動産コンサル 株式会社アラウンドアーキテクチャー
構造 満田衛資構造計画研究所
設備 ZO設計室

施工

全体 寺本建設