統一性と多様性を持つ「まち」を目指して / 京都市立芸術大学・京都市立美術工芸高等学校

20231114
20231114
20231114
20231114
20231114

設計5社によるアンダーワンルーフ体制

京都市立芸術大学と京都市立美術工芸高校の移転計画です。
東京と京都にある設計事務所5社(乾久美子建築設計事務所・RING ARCHITECTS・フジワラテッペイアーキテクツラボ・o+h・吉村建築事務所)による設計企業体と協力事務所で進めてきました。3つの地区にまたがる3.4haの敷地に提案したのは8棟ほどの分棟です。これに対して、それぞれの棟を各社に振り分けるような分業体制とはせず、各設計事務所からのスタッフがひとつの場所に集まって常駐し、全員で全体を考え続けました。連担的にまちなみが形成されてきた京都というまちを継承すべく、地区をまたいで一体となり、まちと水平に連続するような全体像を目指した「アンダーワンルーフ」と呼ぶ体制です。

20180306
20171221_崇仁地域の方々との対話
20170617_模型での検討@JV事務所
構造事務所との打ち合わせ@JV事務所
20180803
20180305_実施設計中
20170614_プロポーザル検討時
20180424_設計JVブートキャンプ
20190723_1/300模型による景観検討
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114
20231114

京都の都市構造を参照した構成

全体像を立ち上げるにあたって京都の都市構造や要素を参照しました。敷地を貫く芸大通りなどの「通り」を地区内に通し、条坊制が生んできたような都市的な骨格をつくりました。通りの両側には「大きな軒下」と呼ぶアンブレラフリー道線を設け、棟の内外には「突き抜け」と呼ぶ廊下やサブ道線を配置しました。それらは、さまざまな機能を納めていくための「街路や外部空間」でありながらも、それ自体を場所や機能にあわせて自在に変化させる要素です。

例えば「突き抜け」は時にクランクし時にブリッジへと変化して空中に浮かぶ、「大きな軒下」は三つの地区をつなぐべく配置され、搬入通りや大きな外部階段などの「通り」は必要なところに付け加えていきました。ギャラリー@KCUAから搬入通り、制作通りを横切り事務局までの視線が一直線につながっていることなど、機能空間を含めながら視覚的な「突き抜け」をつくっているところもあります。また棟の奥には、「奥庭」と呼ぶ中庭や吹き抜け空間を配置しました。

芸術大学にもとめられる多様な機能、サイズの部屋は「通り」や「突き抜け」などの立体的な街路沿いに配置していきながら、機能を単に並べて詰め込むのではなく、芸術活動のきっかけとなる余白をところどころに織り込みました。「奥庭」である場所は中庭として外部空間としているだけでなく、内部化して800席のホールや図書館にしているところもあります。それらは、機能空間でありながらも、学生や教員がゆったりと書籍と共に時間をすごすニワのようなものとして感じられるような気積をもちます。

マトリクスフロア

まちのような様相に骨格を与えたのがマトリクスフロアという構造的なアイデアです。マトリクスフロアはグリッド状に配置されたSRCの梁や柱による力強い要素であり、先述した「奥庭」を支える要素であることや、「大きな軒下」を複数階にわたって展開するための土台になりました。さらに、道路で分断される3つの敷地に建つ建築群を水平につなぐ要素にもなりました。また、高密度な土地利用を求められる都市型キャンパスの建築に避けられない長大な壁面を適度に分節する要素にもなりました。

20231114
期間

2017.10〜2023.08

用途

C地区 学校(大学)、劇場(音楽ホール)、展示場(ギャラリー)、事務所
B地区 学校(大学)
A地区 学校(大学・高校)

担当

(乾久美子建築設計事務所分)
乾久美子、大藤尚生、中島千裕、山根俊輔、米山剛平、川又修平、福嶋海仁、安倍晋太郎

所在地

大学 京都府京都市下京区下之町57-1
高校 京都府京都市下京区川端町15

延床面積

C地区 46,532m2
B地区  9,478m2
A地区 18,285m2

施主

京都市

設計

建築 乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体
設計協力 堀賢太建築設計事務所、押木加菜建築設計事務所、
         インディゴ、多和良屋、松井さやか、高塚加奈子、
         藤井設計事務所
構造 佐々木睦朗構造計画研究所、
   満田衛資構造計画研究所、平岩構造計画
設備 総合設備計画
機運醸成 RAD、UMA / design farm、MUESUM、kumagusuku、
     只本屋、京都大学総合博物館(研究資源アーカイブ系)、
     たんぽぽの家
PM 納屋
外構 エスエフジー・ランドスケープアーキテクツ
音響 永田音響設計
照明 ニューライトポタリー
劇場計画・技術 本杉省三
舞台照明 奥畑康夫、稲葉直人
舞台機構 小栗哲家
家具 平井政俊建築設計事務所
高瀬川護岸改修 日栄設計
サイン UMA / design farm

施工

建築
C地区   竹中工務店
A・B地区 松村組・要建設特定建設共同企業体
電気
C地区 きんでん・豊原・デリブ特定建設共同企業体
B地区 豊原・デリブ特定建設共同企業体
A地区 関西・オリヂナル特定建設共同企業体
機械
C地区 新菱・橋本・エスティアイ特定建設共同企業体
B地区 三和・山本特定建設共同企業体
A地区 影近・長尾特定建設共同企業体

撮影

新建築写真部、ToLoLo studio、乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体