「そっと建築をおいてみると」のきっかけとなったプロジェクト / 片岡台幼稚園の改装
いろいろな活動が混ざり合うことを促すプラン
幼稚園の事務室部分の改装です。既存の事務室の中では、近所から引き取った動物の世話をしたり、その隣で送迎バスの手配をしたりするように、いろいろな次元の仕事がいろいろと混ざりながら運営がなされていました。そうした既存の状態が楽しげだったので、真四角ではなく、凹凸を持つ部屋を複数組み合わせながら、それぞれの部屋がつかず離れずの関係になるようにしています。また、凹凸によって部屋に機能的な分節を生み、ひとつの部屋の中で同時に複数の活動を行いやすくしています。さらに外壁側には縦格子を立て込み、室内は横縞の塗装を施して、ギンガムチェックのパターンで事務室が覆われているかのようにしました。ギンガムチェックは部屋の凹凸を強調して、楽しげな表情となるようにしました。初期の考えをまとめた「そっと建築をおいてみると」というテキストを書くきっかけとなったプロジェクトです。
information
- 期間
2000.12〜2001.8
- 用途
幼稚園
- 担当
乾久美子、田中美香
- 所在地
奈良県北葛城郡上牧町
- 延床面積
96m2
- 設計
乾久美子建築設計事務所
- 施工
村本建設
- 撮影
高橋堅