光のような、色のような状態を丁寧な塗装で実現する / ヨーガンレール丸の内
すこしだけ非日常を感じる空間をつくる
小さく分割した部屋のそれぞれの床、壁、天井を、すべて同じ色で、少しムラをつけながら塗っています。さらに部屋と部屋との境界線では、色同士が混ざり合うようにぼかしています。色が色に見えず、空間が色の付いた光で満たされたように見せるためです。部屋を横断しながら移動すると、それぞれの色の持つ雰囲気に気分が満たされるのか、軽い酔いのような心地よさにいつの間にか浸ることになります。しかし、ふと目に入る商品は、通常通りの日光に近い色温度で照らされているので、器(部屋)とその中にあるもの(商品)とが違う色の光で別々に照らされているかのように見えて不思議です。そのような少し非日常的な光景が、心地よい酔いのような気分を少しだけ深化させます。本店舗はすでに他のデザインで改装がされています。機会があれば、もう一度どこかで実現したいアイデアです。
information
- 期間
2002.12〜2003.06
- 用途
店舗
- 担当
乾久美子、當間一弘
- 所在地
東京都千代田区
- 延床面積
218m2
- 設計
内装 乾久美子建築設計事務所
設備 三菱地所- 施工
栄工社
- 撮影
阿野太一