建築のディテールをフェミニンにするという挑戦 / Dior Ginza
重力を感じさせない軽やかさを目指す
世界的なブランドのファサードデザインです。穴をあけた10ミリのアルミ板で覆われています。穴は2種類あり、大きさの違いでカナージュとよばれるブランドのアイデンティティを伝えるパターンを表しています。奥にある壁にも同様のパターンを小さくしたものをシルク印刷しているので、夜になると大きさの違うパターンが折り重なって見えます。デリケートでフェミニンなプロダクトをつくるブランドのイメージを大切にするため、技術的な工夫を多数かさねることで、建築的で無骨なディテールを徹底的に排除しています。目地も、下地もみえないようにすることで、重力を感じさせない軽やかさと透明感を作り出しています。本ファサードは店舗の移転のためにすでに取り壊しをされてしまいました。半分の規模になってしまいますが、同じ仕組みのファサードをもつディオール心斎橋店が残っています。近くにお立ち寄りの際はぜひご覧ください。
information
- 期間
2003.8〜2004.10
- 用途
店舗
- 担当
乾久美子、山田盛治、高橋耕平、柏木大地
- 所在地
東京都中央区
- 延床面積
1507m2
- 設計
建築 乾久美子建築設計事務所
構造、設備 清水建設- 施工
清水建設
髙島屋スペースクリエイツ
旭ビルウォール- 撮影
阿野太一