公園のやすらぎと周囲のまちの格式の両方にフィットする姿 / フラワーショップH(日比谷花壇日比谷公園店)

20100106

デリケートな環境づくりと開放感の両方を達成する

老朽化した店舗を建て替えるプロジェクトです。ひとつひとつは、小さいけれど天井高さが高い箱状の建築にしています。室内からは天井の存在が気にならないようにすることで、室内でいることを忘れるような空間になっています。デリケートな花き商品を守る室内環境をつくりながらも、あたかも公園の、つまり屋外にいるかのような開放感を味わえる店舗空間をめざしました。建物と建物の隙間を観葉植物の展示スペースやスタッフの作業スペースとして使えるサイズにしており、フラワーショップとしての活動を室内だけでなく屋外にも穏やかに広げることができます。室内外をつかって行うフラワーショップらしい活動が公園の生き生きした雰囲気づくりに役立っていくことを想定しました。

20171013
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公園とまちの間にある建築として

敷地は公園の中というよりは、公園のエッジともいえる場所です。公園と都市の間に建つという立地を生かしながら、周りに広がる都心の風景と、緑深い公園の風景の両方にフィットするようなあり方を考えました。外部的でありながらも内部的でもあるような中間的な空間のあり方は、公園内の大木の梢の下に近く、公園内にある建築にふさわしいよう、おおらかで居心地のよさを作り出しています。きちっとした四角い形と石貼りのフォーマル感は、目の前に並ぶのはホテルや劇場など、正装の似合うまちなみにあわせています。都市らしさと公園らしさという相反する要素を、小さいボリュームにぎゅっと詰め込んだ建築になっています。

20210811 裏の散策道
20210811
20210811 日比谷公園内の川原売店
20210811 日比谷公園内の植栽

information

期間

2005.9〜2009.11

用途

店舗

担当

乾久美子、市川竜吾、奥山尚史

所在地

東京都千代田区

延床面積

189m2

設計

建築 乾久美子建築設計事務所
構造 KAP
設備 イーエスアソシエイツ一級建築士事務所

施工

清水建設

撮影

阿野太一、山岸剛、乾久美子建築設計事務所