生活の道具としての町家とアール・ブリュットの親和性 / みずのき美術館
生活の道具として町家
地方都市における、町家を改修したアール・ブリュットの美術館です。一般的な町家は、最低限の資材で建設されていたり、住民の都合に合わせて自由に改変されていたりすることも多く、文化財というよりはリアルな生活の道具といえます。クライアントは障害者福祉施設の運営の中で「みずのき絵画教室」というアトリエ活動を充実させ、アール・ブリュットを長年にわたり育んできた福祉法人ですが、今回、周辺地域の中でも特に生活感にあふれた町家を購入して美術館へと改修することを発想されました。そこにアール・ブリュットを見つめつづけてきたやさしいまなざしの存在を感じ、生活の延長にある町家のよさが引き立つ改修を試みています。
全国的に注目されるアール・ブリュットの拠点
みずのき美術館では、絵画教室で制作された作品の展示のみならず、多彩なアーティストやクリエイターとのコラボレーションによる企画展も旺盛に行っています。素晴らしい展覧会ばかりで、私たちもこうした場づくりにかかわれたことを誇りに思っています。
みずのき美術館
近くにお立ち寄りの際はぜひご訪問ください。
information
- 期間
2010.6〜2012.10
- 用途
美術館
- 担当
乾久美子、森中康彰
- 所在地
京都府亀岡市
- 延床面積
171m2
- 施主
社会福祉法人 松花苑
- 設計
建築 乾久美子建築設計事務所
構造 KAP
設備 EOSplus、yamada machinery office- 施工
髙橋工務店
- 撮影
山岸剛、乾久美子建築設計事務所