聖ナル2

20241103

国宝である円覚寺舎利殿を参拝した帰りにふと横に目を向けると、岩肌に繰りぬかれた横穴と窪みをぴったりと象嵌するような倉庫を発見しました。気になって調べてみると、どちらも鎌倉から室町時代にかけて鎌倉周辺に多くつくられた「やぐら」と呼ばれる横穴式墳墓に関わりがあるようです。鎌倉時代の人口増加、平らな土地の少ない谷戸地形での空間の有効活用、浸食されやすい、つまりある程度加工しやすい岩石などいくつかの条件が重なることでこうした文化が発展したといいます。浸食によって自然につくられたであろう窪みを活かすものもあれば、地層とは無関係に矩形の穴をあけるものもあり、自然と向き合い何かを構築する姿勢として対称的にみえるのですが、どちらも岩盤や地面、洞窟など人間のスケールを超えたもの、生活から切り離された奥行を持つものに信仰心を投影し、そこに造形が生み出される点で根っこの部分は共通しているように感じます。

(円覚寺・鎌倉市/神奈川県)

#shuheikawamata