中動態の世界

20170327

我々が普段使っている言語は能動態ー受動態の枠組みの中にありますが、本書は中世?に存在していた能動態ー中動態の枠組みについての研究書です。
能動態ー受動態の枠組みでは全ての動作は「する‐される」のどちらかに属する。一方で能動態‐中動態の枠組みの中では、動作の過程が主語の外で完遂されるか内で完遂されるかという、いわば行為が発生する場所が問題になります。
興味深いのは本書が「意志」や「責任」といった概念に踏み込んでいることです。これらが個人主義的な価値観のもと、行為が発生する過程を切断するような概念になっているということが能動体ー中動態の視座から指摘されます。

出版年月日:2017.03.27
出版:医学書院
著書:國分功一朗

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