ルイス・カーン建築論集
この本で示されるカーンの思考は、元初や世界の成り立ちと自らをつなぐ線を引き直しその中で建築を捉えようとしています。その中でカーンは「ルーム」という概念を建築の始まりと位置付けていますが、必ずしも屋内の空間だけを指すものではありません。そこに着目し、広場のような屋外空間を設計する際にぼんやりと輪郭のあるひとまとまりの居場所を「ルーム」と呼んでみています。そうすることで具体的になりすぎず、かといって抽象的にもなりすぎない塩梅で屋外空間の設計を考えられそうに感じています。
出版年月日:1992.10.1
訳・編集:前田忠直
著者:ルイス・カーン