設備の居場所
桁行四間、梁間二間のシンプルな架構が漁具小屋としていろいろな構造を与えられています。桁行方向には、一間ごとに数字が振られ(四は飛ばされています)所有の単位が読み取れます。反対に、梁間方向は二間しかなく、そのうち一間は倉庫として、残りの一間は所有区分を横断するようにゆったりとした軒下空間に充てられています。小屋は少し背が高く、倉庫の戸より下の空間は、所有区分に沿いながらものが置かれていますが、戸より上の空間はすくい網などの長物が所有区分を横断して収納されています。人によって架構が構造化され、構造化された架構がものに意味を与え、もの意味を人が読み取るというサイクルを見て取ることができます。
(西伊豆町/静岡県)