大地のミュージアム・遺構をつなぐラーニングコモンズ / 熊本地震震災ミュージアム中核拠点施設プロポーザル案

20200211
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遺構をめぐる経験と、ミュージアム内部の展示をリンクさせる

大規模山腹崩壊や橋梁の崩落、大学校舎の半壊などの遺構が集中するエリアに、震災ミュージアムをつくるプロポーザル提案をしました。周辺の震災遺構をめぐるだけで多様な地震被害を把握することができることをいかし、遺構同士を有機的につなぐルート作りをしています。ミュージアムの中では、ジオラマや標本など使いながら地震工学や防災、復興都市計画などをはじめとする地震を多角的に捉える内容を展示しますが、ルートと同じ順番でそれぞれの遺構の解説と共に説明をすることを提案しています。近くにある遺構を通して地震のメカニズムや、それに対する備え、復興のあり方を知ることで、より深く、立体的に地震のことを学ぶことができるようになることを考えました。

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「それぞれの熊本地震震災」を継続する仕組み

教育、美術、体育、医療や福祉など多様な機関と連携したワークショップを定期的に開催し、ワークショップはアーカイブとして記録するプログラムを提案しています。「それぞれの熊本地震震災」というテーマで、直接的な被災者の方々だけでなく、間接的に熊本地震に関わっている方々の個人の声や思いをワークショップを通して収集し、震災がもつ複雑さや多様性を価値づける活動を継続することを、震災ミュージアムの真の使命ではないかと考えました。アーカイブは企画展に活用することも想定しました。陳腐化しやすい固定的な展示物を新鮮な角度から眺める視点を与えてくれる要素としても役立つと考えました。

information

期間

2019.10〜2020.2

用途

体験展示施設

担当

乾久美子、沼田優花、川又修平、福嶋海仁

計画地

熊本県阿蘇郡

施設規模

約1300m²

設計

建築 乾久美子建築設計事務所
構造 KAP
設備 環境エンジニアリング
ランドスケープ エスエフジー・ランドスケープアーキテクツ
アーカイブ 齋藤歩
展示計画 菊地敦己事務所